RMSのクーポン設定は、まず配布型とサンキュークーポンを分けて考えるのが近道です。配布型は「今買ってもらう」ための施策、サンキュークーポンは「次も買ってもらう」ための施策として押さえると、設定の意味がぶれません。
RMSで扱えるクーポンの種類と使い分け
RMSで扱うクーポンは4種類あります。店舗が直接設計する中心は、配布型クーポンとサンキュークーポンです。楽天負担のクーポンは別枠として考えると、設定の入口を混同しにくくなります(楽天のクーポンは4種類)。
| 種類 | 値引きの負担 | 主な役割 | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| 配布型クーポン | 店舗 | 購入の後押し | メルマガ、商品ページ、限定施策 |
| サンキュークーポン | 店舗 | 再購入の促進 | 初回購入後や購入完了後の次回施策 |
| サービスクーポン | 楽天 | 楽天企画に合わせた販促 | 楽天主導のキャンペーン参加時 |
| クーポンアドバンス広告 | 店舗+広告費 | 集客と購入促進 | 商品ページ前からの露出を狙うとき |
まず覚えるべきなのは、配布型は「今買ってもらう」、サンキュークーポンは「次回につなげる」という違いです。
配布型クーポンの設定で押さえる項目
配布型クーポンは、RMSの入口さえ分かれば作業自体は複雑ではありません。難しいのは入力項目の意味で、特に公開設定、対象商品、利用回数の考え方を取り違えると、意図しない値引きにつながります。
どこから新規登録するか
配布型クーポンは、RMSトップの「店舗設定」→「8 クーポン設定」→「クーポン(配布型)」から新規登録します(配布型クーポンの登録手順)。
開始日時は、登録画面を開いた60分後以降に置けます。終了日時は最長3か月です。まずキャンペーンの期間を決めてから、他の条件を合わせると設計しやすくなります。
公開設定は全ユーザー公開と限定公開のどちらを選ぶべきか
公開設定は、全ユーザー公開と限定公開の2択です。特定の相手にだけ配りたいなら、必ず限定公開を選びます。メルマガ読者、LINE友だち、レビュー特典、お詫び対応などは限定公開向きです。
逆に、広く見せて集客したい、商品ページから自然に拾ってほしい、という施策なら全ユーザー公開が向きます。ただし全ユーザー公開にすると、想定していないユーザーにも見える前提で設計する必要があります。公開後に直せるのは公開設定が中心なので、ここを最初に誤ると後戻りしにくくなります。
対象商品指定・利用回数上限・獲得条件の考え方
配布型で最も事故が起きやすいのが、対象商品指定と1ユーザーあたりの利用回数上限です。ここは「1回」の意味が、全商品か対象商品指定かで変わります。
- 店内全商品のクーポン:利用回数は注文回数として数える
- 対象商品指定のクーポン:利用回数は対象商品の点数として数える
たとえば「対象商品を3個買ったら1,000円引き」にしたいのに、上限を3回にすると、3個すべてに割引がかかる設計になり得ます。意図どおりにしたいなら、上限は1回にするのが基本です(利用回数の数え方)。
対象商品を指定する場合は、次のいずれかが必要です。
- 有効期間を14日以内にする
- 全利用回数上限を1,000回以内にする
- 獲得条件で会員ランクを指定する
また、対象商品として登録しにくい商品もあります。予約商品、頒布会商品、注文ボタン非表示の商品は、登録時にエラー商品として除外されます。新商品を対象にするなら、反映に時間がかかることがあるため、前日までに登録しておくと安全です。
獲得条件では、会員ランク、店舗購入履歴、性別、年齢、誕生月、居住地などを使えます。ただし会員ランクは他の獲得条件と同時指定できません。年齢や性別などと組み合わせたい場合は、先にその制約を確認しておく必要があります。
有効期間と編集できる期限
配布型の有効期間は、開始から最長3か月です。開始時刻は、登録画面を開いてから60分後以降に置くのが基本です。
重要なのは、開始前60分までなら全項目を編集・削除できる一方、開始後に変更できるのは公開設定のみという点です。誤って公開してしまったときは、限定公開に切り替えて新規獲得を止めるのが中心の対応になります。
サンキュークーポンの設定で押さえる項目
サンキュークーポンは、配布型よりも「誰に、いつ、どのタイミングで渡すか」が大事です。自動付与だからこそ、対象ユーザーと待機期間をずらすと施策の狙いが崩れます。
誰を対象にできるか
サンキュークーポンの対象は、全ユーザーか初回購入ユーザーのみです。初回購入ユーザーは、自店舗で未購入の人、または過去730日以内に購入履歴がない人を指します。
初回購入ユーザー向けにすると、新規顧客を次回購入へつなげやすくなります。一方、全ユーザー向けは、リピーターにも広く配れるのが利点です。どちらが向くかは、店舗の目的で決めるのが基本です。
獲得してから使えるまでの期間
サンキュークーポンは、購入後に自動付与されますが、獲得した瞬間に使えるわけではありません。10〜30日のリードタイムを置いて、その後に1か月・2か月・3か月の有効期間を設定します。
つまり、設定では「いつ獲得させるか」と「いつから使えるか」を分けて考えます。次回購入までの平均的な間隔が短い店舗なら、待機期間を長くしすぎないほうが使いやすくなります。
獲得期間の重複と、発行後の編集・停止
サンキュークーポンには、配布型にはない制約があります。同じ対象ユーザーに対して獲得期間が重複するクーポンは登録できません。
また、獲得開始日の2日前までなら編集可能ですが、それ以降は編集できません。止めたいときは獲得停止を使います。ただし、獲得停止は元に戻せず、すでに獲得済みのクーポンは有効期間内なら使えます。
重複エラーが出たときは、次のどれかで調整します。
- 既存のクーポンを停止する
- 獲得期間をずらす
- 獲得対象ユーザーを変える
定期購入商品に使えるか
クーポンは、通常購入だけでなく定期購入商品にも使えます。販売方法条件で「定期購入商品のみ」や「通常購入商品のみ」を分けられるので、施策の対象を絞りやすいのが特徴です。
ただし、配布型では予約商品や頒布会商品は対象外です。販売形態が複数ある店舗では、対象の切り分けを先に決めてから設定すると、誤配布を防ぎやすくなります。
クーポン発行前後で確認すべき注意点
設定の失敗は、単なる入力ミスで終わりません。値引き過多、誤公開、景品表示法上の注意、想定外の併用など、売上と信用の両方に影響します。発行前に確認したいのは、設定値そのものだけでなく、他の施策や訴求文との整合です。
設定ミスで起きやすい失敗
よくある失敗は、次の3つです。
- 値引き額と条件を入れ違える
- 楽天企画や他クーポンと対象が重なる
- 利用回数上限を誤って設定する
特に利用回数上限は、対象商品指定のときに注文回数ではなく商品点数で効くため、気づきにくいミスになりやすいです。さらに、同じ条件のクーポンを短期間で繰り返し出すと、ユーザーに誤解を与えるおそれがあります。似た条件を連続で出すときは、告知のしかたまで含めて見直したほうが安全です。
誤発行したときの対応
誤発行に気づいたら、まずユーザーが獲得したかどうかで分けて考えます。獲得前なら、開始前60分までであれば修正や削除ができます。獲得後は、配布型なら公開設定を限定公開に切り替えて新規獲得を止めるのが基本です。
サンキュークーポンは、編集期限を過ぎたら獲得停止で止めます。ただし、停止しても既獲得分は残るため、誤設定に気づいた時点で早めに止めるほど影響を抑えやすくなります。
獲得条件付きクーポンの案内文と併用
獲得条件を設定したクーポンは、対象外のユーザーにも画面が開けることがあります。つまり、表示されたのに獲得できないことが起きます。
そのため、メルマガやバナーで案内するときは、「特定のユーザーのみ獲得できる」「対象外の方も表示される場合がある」といった説明を添えるのが安全です。会員ランクを使うときは、年齢や性別など他条件と同時指定できない点もあわせて確認します。
クーポン名や説明文の文字制約
クーポン名や説明文は、見やすさだけでなく文字化け対策も大切です。少なくとも機種依存文字は避けるのが無難です。細かな禁止文字や文字数制限は、画面の仕様に合わせて確認してください。
名前は、ユーザーが見て内容を判断できることが第一です。割引額、対象、期限のうち、伝えるべき情報を絞って短く整理すると、使われやすくなります。
クーポンの費用と効果確認
費用は、設定前に必ず見ておきたいポイントです。配布型クーポンは、利用1枚あたり50円税別で、月50枚まで無料です。発行や獲得だけでは費用はかからず、実際に購入で使われた枚数が課金対象になります。
サンキュークーポンは、当面の間は無料キャンペーンの対象です。運用時点では、最新の料金プランをあらためて確認しておくと安心です。
利用実績は、R-Backofficeの受注管理画面で確認できます。売上への効果は、R-Karteのクーポン効果測定で見るのが基本です。設定したままにせず、利用枚数と売上の動きを見て条件を調整するところまでが、クーポン運用です。
まとめ
RMSのクーポン設定は、まず配布型とサンキュークーポンを分けて考えるのが近道です。配布型は公開設定・対象商品・利用回数・有効期間、サンキューは対象ユーザー・リードタイム・編集や停止の期限を押さえれば、実務上のミスはかなり減らせます。
費用は、配布型なら利用1枚あたり50円税別、月50枚まで無料です。設定後はR-Backofficeで利用実績を、R-Karteで売上効果を確認し、次回の条件に反映させると運用が安定します。


