楽天市場の主要キャリア版で置き配を設定するには、配送会社側の準備、RMSでの店舗・配送会社単位の利用申込み、SKUごとの受付設定、送り状への置き場所連携を順番に整えます。RSLお届け日時表示サービス版は対応方法が異なるため、自社発送分とRSL利用分を切り分けて確認することが重要です。
本記事では、現行運用を前提に、買い物かごへの表示条件、RMSの設定箇所、`normal-item.csv`での一括更新、配送会社・OMSとの連携、対象外SKUの決め方、テスト注文の確認範囲を説明します。2027年の変更予定は、現在必要な手順と分けて整理します。
利用方式・表示条件を確認する
楽天市場の置き配は、配送方式によって店舗側の対応が変わります。自社発送の商品を日本郵便・佐川急便・ヤマト運輸で出荷する場合は、主要キャリア版の手続きが必要です。一方、RSLのお届け日時表示サービスを利用している商品は、置き配が自動表示される方式です。
設定前に、どの商品をどの方式で出荷しているかを整理してください。SKU設定だけを先に変更しても、店舗の利用申込みや注文条件、送り状への情報連携が整っていなければ、購入者画面に表示されなかったり、出荷時に置き配場所が伝わらなかったりします。
主要キャリア版とRSLお届け日時表示サービス版の違い
主要キャリア版は、日本郵便・佐川急便・ヤマト運輸のいずれかで出荷する商品が対象です。店舗側では、配送会社ごとの必要な申込みや契約・規約同意、RMSでの利用申込み、SKU単位の置き配受付設定、送り状発行環境の確認が必要になります。複数の配送会社を使う場合は、利用するキャリアごとに準備とRMS上の申込み状況を確認します。
RSLお届け日時表示サービス版は、RSLのお届け日時表示サービスを利用している商品に置き配が自動表示される方式です。自社発送分まで置き配の対象にしたい場合は、RSL版の自動表示だけでは足りず、主要キャリア版を別途整える必要があります。RSL利用商品と自社発送商品を同じ設定として一括判断せず、出荷経路ごとに管理してください。
なお、商品・SKUの「倉庫指定」は、物理的にRSLへ出荷する設定ではなく、商品やSKUを販売表示するかどうかを制御する項目です。RSLの出荷連携やOMSの役割とは分けて考えます。
買い物かごに置き配が表示される条件

主要キャリア版の置き配は、SKUを「受け付ける」にしただけで常に表示されるわけではありません。通常購入であること、日本国内の単一送付先であること、対象の配送会社・配送方法であること、代金引換ではないことなど、注文全体の条件を満たす必要があります。予約購入・定期購入・頒布会は対象外です。また、買い物かごに受付不可のSKUや、置き配の対象外とされるジャンルが含まれる場合も表示されないことがあります。
購入金額の現行条件は、日本郵便・佐川急便が30万円以下、ヤマト運輸等が15万円以下です。これは置き配を利用できるかを判定する条件であり、補償の上限とは別のものです。送料、支払い手数料、クーポン値引き、ポイント・キャッシュ利用額を上限判定にどう反映するかは、確認できる資料だけでは確定できません。金額上限ぎりぎりの商品は、最新の公式仕様を確認して判断してください。
購入者は、条件を満たした注文の買い物かご画面で置き場所を選びます。選択肢は配送会社によって異なり、玄関前、宅配ボックス、車庫、物置、メーターボックスなどがあります。代金引換では置き配を利用できず、注文途中で決済方法を代引きに変更した場合は、置き配指定が解除されます。
RMSの利用申込みをしていない店舗や配送会社は、主要キャリア版の表示条件を満たしません。未申込みのため買い物かごに置き配が表示されないことと、店舗に直接のペナルティがあるかどうかは別の論点です。導入しない場合は、商品特性と出荷体制を踏まえ、購入者の受取方法が制限される点を判断材料にします。
RMSで置き配を設定する
現行の主要キャリア版は、「配送会社の準備→RMSの利用申込み→SKU設定→受注・送り状テスト」の順で進めると、設定漏れを切り分けやすくなります。RMSの画面設定だけでなく、置き配フラグと指定場所が出荷データに残り、配送会社の送り状へ渡るところまでを完了条件にします。
設定前に配送会社と出荷フローを確定する
最初に、対象商品を実際に出荷する配送会社と、送り状を発行するシステムを確定します。置き配では、購入者が選んだ置き場所を配送会社が扱える形式で送り状へ反映する必要があるためです。RMSで置き配注文を受け付けても、OMSや送り状ソフトが置き場所を受け取れなければ、通常配達や持ち戻りになる可能性があります。
確認する対象は、配送会社との契約・申込み、利用する送り状ソフト、OMSからの受注データ連携、置き配フラグと指定場所の受け渡しです。自社システムを使う場合は、通常の送り状データに置き配情報を追加できるかを、配送会社の指定様式と照合します。
RMSの利用申込みとSKU設定を行う

配送会社側の準備ができたら、RMSで利用状況を確認します。入口は、
`店舗様向け情報・サービス → オプション機能利用申込み・解約 → 置き配指定`
です。申込み・利用状況一覧から、利用する配送会社ごとの状態を確認します。複数キャリアを使う店舗は、キャリアごとに申込み状況を確認してください。
次に、商品編集画面でSKUごとの受付可否を設定します。対象商品の「在庫・配送」内にある配送設定から「置き配指定」を開き、対象にするSKUを「受け付ける」にします。SKUの初期値は受付可とされていますが、初期値だけでは店舗申込み、配送会社、注文条件のすべてを満たしたことにはなりません。高額品や温度管理品などを対象外にする場合は、SKU単位で「受け付けない」に変更します。
申込み後は、通常購入の商品を使って買い物かごに置き配指定が表示されるかを確認します。表示されない場合は、SKU設定だけでなく、配送方法、配送会社、注文種別、決済方法、申込み状態を順に見直します。
normal-item.csvでSKU設定を一括管理する
SKU数が多い場合は、`normal-item.csv`のSKU項目「置き配指定」で受付可否を一括更新できます。項目はSKUレベルのため、色・サイズなどの各SKUを対象に確認してください。RMSから取得した現行テンプレートと項目仕様を使い、商品行・SKU行の構造を保ったまま編集します。
一括更新では、先に除外対象SKUを抽出してからファイルを作成します。高額品、破損しやすい商品、温度・湿度や直射日光の影響を受ける商品などを、受付可のまま一括投入しないことが重要です。
CSVでは、列を省略することと空欄にすることは同じではありません。空欄が値の削除や初期値への復帰につながる項目もあるため、変更しない列を一律に空欄にしてアップロードしないでください。アップロード後は、登録完了またはエラー通知だけで終わらせず、対象SKUのRMS画面と商品ページで設定を確認します。
CSVの取得・編集・アップロードの流れは、商品CSVの一括登録・変更に関する公式マニュアルも参照してください。
テスト注文で表示から送り状まで確認する

設定完了の判断は、次の順番で確認します。
- 対象SKUを買い物かごに入れ、置き配指定が表示される
- 注文時に指定した置き場所がRMSの受注データへ入る
- OMSや受注管理システムが置き配フラグと指定場所を受信する
- 送り状データへ、利用キャリアに合った置き場所が反映される
- テスト用の送り状や出荷画面で、場所の欠落・文字化け・別キャリアのコード混入がない
本番出荷へ移す前に、通常購入・対象外SKU・代引き注文など、表示されるケースと表示されないケースの両方を確認します。OMSや送り状ソフトを変更したときも、買い物かごから送り状までの一連のテストをやり直してください。設定画面だけの確認では、連携途中の欠落を発見できません。
配送会社・OMSの送り状連携を整える
RMSの置き配利用申込みと、配送会社の送り状発行は別の作業です。日本郵便・佐川急便・ヤマト運輸で、必要な申込み、送り状の様式、置き場所の渡し方が異なります。外部OMSを利用する場合は、RMSから受け取った情報をキャリア別の形式へ変換できるかまで確認してください。
日本郵便・佐川急便・ヤマト運輸で必要な準備

| 配送会社 | 導入前に確認すること | 送り状・出荷時の確認 |
|---|---|---|
| 日本郵便 | 指定場所ダイレクトの利用規約・利用申請、自社システム利用時の対応可否 | 指定場所ダイレクトのレイアウトに対応しているかを確認。独自システムでは専用様式・コード体系を日本郵便と照合する |
| 佐川急便 | 指定場所配送サービスの申込み・荷送人側の利用条件 | e飛伝IIIでは品名欄、BeCCLでは記事欄など、利用システムに応じた項目へ置き場所を渡す。佐川急便の置き配案内も確認する |
| ヤマト運輸 | 現行では楽天市場向けのEAZY申込み。ヤマトビジネスメンバーズ登録や契約メールへの対応も確認 | EAZY専用レイアウトを使い、置き場所と通知用情報を正しい形式で渡す。他モール用のEAZY契約だけでは楽天市場向けの条件を満たさない |
ヤマト運輸は、申込みから利用開始まで約2週間が目安とされていますが、契約メールへの対応や休業日によって延びることがあります。署名と登録が完了したことを確認してから、RMS・OMS側のテストへ進みます。メールの送信元や件名は変更される可能性があるため、具体的なメール情報を社内手順へ固定せず、申込み時の最新案内を確認してください。
手動CSV連携では、配送会社ごとに置き場所コードが異なります。同じ番号でも意味が一致するとは限らないため、日本郵便、佐川急便、ヤマト運輸EAZYのコードを相互に流用しないでください。
OMS・送り状ソフトの対応範囲を確認する
外部OMSを使う場合は、次の2段階を分けて確認します。
- RMSから連携される「置き配フラグ」と「置き場所」を、OMSが受信できるか
- 受信した情報を、佐川急便のe飛伝III・BeCCL、日本郵便のゆうパックプリントR、ヤマト運輸のB2クラウドなどへ、キャリア別の形式で渡せるか
RMSサービススクエアの対応表では、CSVは置き配情報を受信して手動で伝票を発行できる状態、APIは情報を受信して自動で伝票を発行できる状態、未対応は必要な置き配情報を受け取れない状態を示します。「CSV対応」だから自動発行できるとは限りません。
利用中のOMS名だけで判断せず、OMSと配送会社の組み合わせごとに確認します。対応状況は更新されるため、RMSサービススクエアの置き配対応システム一覧を確認し、最終的には提供会社へ問い合わせてください。
RMSの設定費用と配送会社側の条件を分けて考える
RMS上の置き配利用申込みやSKU設定にかかる利用料と、配送会社との契約・送料・個別サービス条件は分けて確認します。RMSの画面で申込みができることは、配送会社側の契約が完了していることや、EAZYなどの専用サービスを利用できることを意味しません。
費用を確認するときは、少なくとも次を分けて整理します。
- RMSの置き配利用申込み・SKU設定に関する料金
- 配送会社との運賃・契約条件
- EAZYや指定場所配送サービスなど、キャリア側の利用条件
- OMS、送り状ソフト、連携方式にかかる契約・利用料金
置き配の設定費用をRMSの画面だけで判断せず、利用する配送会社と外部システムの契約書・料金表を確認してください。
対象SKUと注文後の運用を設計する
置き配は、技術的に「受け付ける」にできるSKUをすべて対象にする必要はありません。キャリアの利用上限、店舗独自の除外基準、補償や責任に関する条件は別の分類です。導入前に、商品特性と問い合わせ時の判断を決めておくと、設定後の事故対応をその場の判断だけに頼らずに済みます。
置き配を受け付けないSKUを決める
対象外候補は、価格だけでなく、盗難・破損・品質劣化・設置場所の安全性で判断します。たとえば、次の商品は「受け付けない」を検討します。
- 高額品や、盗難時の損失が大きい商品
- 精密機器、ガラス製品など、衝撃や振動に弱い商品
- 冷蔵・冷凍品、チョコレート、温度・湿度に敏感な商品
- 直射日光や雨風で品質が変化する化粧品・アパレルなど
- 大型・重量物、指定場所に安全に収まらない商品
- ギフト商品など、受取人が置き配を想定していない商品
- 火災など安全上の懸念がある商品
日本郵便・佐川急便の30万円以下、ヤマト運輸等の15万円以下という条件は、置き配を利用できる注文の外部条件です。店舗が独自に設定する高額品の除外基準とは別に管理します。補償の上限や適用条件を確認できていない状態で、「上限内なら安全」「補償されるから対象にする」と決めないことが重要です。
梱包・購入者案内で予防する
置き配を受け付ける商品でも、雨、強風、温湿度、直射日光による劣化が起こり得るなら、梱包だけでなく対象SKUの見直しと案内を組み合わせます。耐水・耐衝撃性を高めても、長時間の屋外放置や温度変化まで防げるとは限りません。
商品ページや注文後の案内には、次の内容を記載すると条件の誤解を抑えられます。
- 置き配の表示・利用可否は、商品、配送会社、配送方法、注文条件、配送先の状況で変わること
- 置き配可能な場合でも、指定場所の安全性や天候によって対面配達・持ち戻りになる場合があること
- 配達完了後は、できるだけ早く荷物と商品の状態を確認すること
- 食品や温度・湿度に影響を受ける商品は、置き配を対象外にする場合があること
「必ず玄関前に置かれる」「どの物件でも利用できる」といった断定は避け、店舗が保証できる範囲と配送会社が判断する範囲を分けて案内します。
問い合わせ時の確認と社内判断を決めておく
荷物が見つからない、濡れている、破損している、誤配の疑いがある、意図しない置き配だったという問い合わせでは、まず事実を揃えます。注文番号、配送会社、伝票番号、注文時の置き配指定、指定場所、配達完了日時、購入者が確認した場所を記録し、配送会社への照会に使います。
配送会社への照会と、店舗の再送・返金判断は別にします。照会は配達状況や指定場所への配達記録を確認する手続きであり、店舗が購入者へどのように対応するかは、自社の販売条件・商品状態・楽天市場の最新の補償条件を踏まえて決める業務です。楽天あんしんショッピングサービスの置き配補償の対象・上限額・回数・申請期限や、RSL出荷かつ日本郵便配達時の置き配保険の詳細は、確認できる資料だけでは確定できません。具体的な補償額や責任分担を断定して案内しないでください。
社内フローには、配送会社への照会先と必要情報、購入者への初回返信、再送・返金を承認する担当者、商品回収や再出荷の扱いを定めます。問い合わせはRMSの注文詳細から「顧客に問い合わせ」で開始できます。
変更希望・集合住宅の問い合わせに備える
購入後の置き場所変更は、配送会社と荷物の状態によって扱いが異なります。佐川急便では、荷受人がスマートクラブまたは佐川急便のLINE公式アカウントのお届け予定通知から置き配を指定できますが、置き場所の指定は初回の1回のみで、指定後の変更はできません。変更希望が来た場合は、店舗が電話や問い合わせフォームで代行するのではなく、佐川急便の受取人向け手段を案内します。
他キャリアの購入履歴からの変更可否や通知仕様は、配送会社の最新案内に沿って対応してください。配送完了写真や通知の有無もキャリアで異なるため、店舗側で一律に「写真を確認できる」と案内しないことが安全です。
オートロック付き集合住宅では、配送会社の仕組み、物件の管理規約、配達員が安全に立ち入れるかどうかなどで可否が変わります。店舗が配達可否を保証するのではなく、確実な受取を希望する購入者には、置き配を選ばない方法や時間帯指定など、利用可能な代替手段を配送会社の案内に沿って提示します。
現行運用と2027年予定を分けて確認する
2026年9月24日時点で確認できる現行運用では、主要キャリア版を使う店舗は、配送会社の準備、RMSの店舗・配送会社単位の利用申込み、SKUの受付設定、置き配フラグと指定場所の送り状連携を整える必要があります。2027年の予定を理由に、現在の申込みや伝票対応を先に省略しないでください。
2027年2月26日予定の変更内容
2026年9月24日時点の案内では、2027年2月26日に次の変更が予定されています。
- 置き配の原則化
- RMSでの置き配利用申込みの不要化
- 対象キャリアの拡大
- ヤマト運輸のEAZY申込み・専用レイアウト必須の見直し
ただし、これは予定として掲載された内容です。正式な施行通知、対象商品の条件、例外、OMS・B2クラウド・送り状ソフトの対応版が確定したことまでを、現行資料だけで断定することはできません。変更日を過ぎた運用を開始する前に、RMSの店舗向け情報と利用中の配送会社・システム提供元の案内を確認してください。
運用見直しのタイミング

現時点では、現在の方式で設定とテストを完了させます。そのうえで、2027年1月15日として掲載されている原則化に関する相談期限、2027年2月26日の仕様変更予定、2027年6月予定の購入者側の初期選択変更を、同じ日付として扱わないように管理します。
見直し時には、次の順で再点検すると変更の影響を把握しやすくなります。
- RMSの利用申込みが本当に不要になったかを確認する
- SKUの受付可否と、対象外商品の設定を確認する
- OMSが新しい置き配フラグ・置き場所の形式を受信できるか確認する
- キャリア別の送り状レイアウトやコードを確認する
- 買い物かご、RMS受注、OMS、送り状を再度テストする
予定変更は、現行設定を先送りする理由ではありません。まず現在の出荷フローを安定させ、正式な通知を受けた時点で申込み・SKU・連携仕様を差分確認するのが安全です。
まとめ
楽天市場の主要キャリア版で置き配を設定する場合は、配送会社の準備を済ませ、RMSで配送会社ごとの利用申込みを確認し、SKU単位で「置き配指定」を管理します。その後、買い物かご、RMS受注、OMS、キャリア別送り状の順に、置き配フラグと指定場所が欠落しないことをテストしてください。
RSLお届け日時表示サービス版は自動表示方式ですが、自社発送分には主要キャリア版の対応が別途必要です。キャリアの利用上限と店舗独自のSKU除外基準、補償条件は同じものではないため、高額品や温度・破損リスクのある商品は個別に判断します。
2027年2月26日の原則化やRMS申込み不要化などは、2026年9月24日時点での予定です。正式な通知と各システムの対応を確認するまでは、現行の申込み・SKU設定・送り状連携を省略せずに運用してください。


